保険に入っていたがために得をした友人

学生時代の話だが、今でも付き合いのある友人二人と一緒に私は郵便局で年賀状の配達のアルバイトをすることになった。学生の郵便配達のアルバイトなんて半分遊びのようなものだが、仕事には変わりないので業務の前にそれぞれ保険に入るよう求められた。言われるままに保険に入り、いざ配達の仕事を始めたのである。最初こそ手間がかかったものの、働いてるうちに慣れるものでそれなりに配達出来るようになった。しかし、慣れ初めこそ怖いという言葉があるように私の友達の身に不幸が降り掛かってしまったのだ。私ともう一人の友達が配達を終わらせて郵便局に戻って休んでいたのだが、中々最後の一人が帰ってこない。何事か起きたのかと気を揉んでいたが、実際に何事か起きてしまっていたのである。配達の途中、階段から足を滑らせて足を骨折してしまっていたのである。せっかく始めたバイトですぐに骨折してしまって…と同情していたのだが、実はこれが思わぬ幸運だったのだ。いや骨を折っているから幸運ではないのだろうが、骨折とは言っても足の骨を折っただけであったこともあってか少なくとも当人はそう語っていた。骨折してしまったが、事前に保険に入っていて仕事中の事故であったこともあり、保険が降りることとなったのである。後で聞いたことによると郵便局のバイト代すら上回るほどの金額であったらしい。そして骨折してしまった故に郵便局のアルバイトは辞めるという形になった。つまり、働かずして相当の金額を得ることが出来たのだ。それでも私は羨ましいとは思わないが、当の本人からすると相当の幸運であったらしい。